トルク計算

通常の締め付けでは、ボルト荷重をトルク管理している例が多い。
このトルクTとボルトに発生した締付力Fは、次式により表わされる。

ここに 
T  :トルク(N・m)
F  :ボルトに発生した締付力(N)
dp :おねじの有効径(m)
β :ねじのリード角で

P   :ピッチ(一条ねじ)
μs   :ねじ面における摩擦係数
μw  :座面における摩擦係数
dw  :ナット座面における摩擦トルクの等価直径で、面圧が均一に分布 し、座面が二面幅B(m)を 直径とする円であり、ボルト穴の直径をDi(m)とすれば、

いま、tan β=0.044(β=2°30'),μs=μw=0.15, dp=0.92d,dW=1.3dとおけば トルクTは以下のようになる。

T=kFd=Fd(0.079+0.021 +0.098)=0.198Fd ≅ 0.2Fd

ここに   
 k:トルク係数(上式より、目安としてのkは0.2 を用いることが多い。)
 d:おねじの外径(m)

また、トルク管理をしていない場合、表1.1.9に示した握り部の力Fh をもとに、 次式より概略のトルクを知ることもできる。

ここに
 Fh   :スパナ握り部に加える力(N)
 Mh  :スパナの一端から握り中心部までの長さ(m)
 Mb  :スパナの一端からねじ中心までの長さ(m)


<技・製>表1.1.9 規格スパナによる低炭素鋼(SS400)ボルトの締め付け
ねじの
呼  び
スパナ握り部に加える力
Fh(N)
作 業 要 領
M6
M8
M10
M12
M16
M20
M24
44.1
68.6
127.5
176.5
313.8
490.3
686.5
手首だけの力を加える
ひじから先の力を加える
肩から先の力を加える
上半身の力を加える
全身の力を加える
全体重をかける

   




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