1.2.2  Oリング、バックアップリングおよびXリング

(1)Oリング

Oリングはシール材として、構造が簡単で装着も容易で、シールの方向性がなく、しかも広い使用圧力範囲を有する等、非常にすぐれた特長を持っている。
用途として、半導体・原子力関連機器をはじめ油圧・空気圧機器等、あらゆる産業に使用されている。
一方、各種流体による材料選定あるいは溝設計等の誤った使い方で、耐久性が著しく左右される場合も多く、使用に際しては細心の注意が必要である。


(a)Oリングの漏れ止め原理
Oリングの漏れ止め原理は図1.2.14のAに示す通りパッキン溝に装着し約8~30%のつぶし代(SQUEEZE)を与え、低圧の場合はOリング自体の弾性により、そのままでシールできる。圧力が増加するとBのようにOリングはパッキン溝の片側に押し付けられ、O形がD形に変形して接面圧力を増加してシールすることになる。
さらに圧力が高くなると、Cのようにパッキン溝のすき間からはみ出して、Oリングそれ自体が破壊され、シール機能が損なわれることになる。このような高圧の場合の対策として、バックアップリングを使用することによってはみ出しを防ぐことができる。
図1.2.15は作動圧力の増加に伴なうOリングの変形状況を示したもので、図1.2.15のDのごとく圧力6.3MPa{64kgf/cm2}程度からはみ出しが発生している。Eは高圧用としてバックアップリングを使用したもので、Oリングは高い作動圧によって片側に押し付けられてもはみ出しを発生しない。したがってOリングは、作動圧力6.9MPa{70kgf/cm2}を目安としてバックアップリングを使用する。

<技・製>図1.2.14 Oリングの漏れ止め原理

<技・製>図1.2.15 各圧力によるOリングの状況



   

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