(5)金属平形ガスケットおよびのこ歯形ガスケット

金属平形ガスケットは、圧延金属板から所定の寸法に仕上げた単純な形状の経済的なガスケットである。またのこ歯形ガスケットは、シール効率を高めるために多同心円の山を付し有効接触面積を小さくしたものである。いずれも高温、高圧のバルブのボンネットや管フランジ、圧力容器のカバーガスケット等に用いられている。バルカホイルVF-30を溝付金属ガスケットの両面に貼り付けたNo.6540Hは、フランジローテーションの生じやすい熱交換器等によく追随し、良好なシール性を発揮する。また石綿ジョイントシートからの代替に適した寸法のNo.6540HPがある。

種 類  
名称 断 面 形 状   バルカーNo.
金属平形ガスケット 560シリーズ
のこ歯形ガスケット(外つば断面形) 540シリーズ
のこ歯形ガスケット(内つば断面形)
のこ歯形ガスケット(つばなし断面形)
のこ歯形ガスケット(内外つば断面形)
膨張黒鉛貼付溝付金属ガスケット 6540Hシリーズ
6540HPシリーズ


使用可能範囲 (参考)
バルカーNo. 540シリーズ 560シリーズ 6540Hシリーズ
温   度 構成金属材料により異なる。
圧力MPa 14.0

【備 考】
1.バルカホイル貼付品の耐熱温度は、400℃である。
2.400℃をこえる場合は、相談のこと。  

構成材料
材   料 使 用 頻 度
名 称 最高硬さ(Hv)    
極軟鋼 140
純鉄 100
(1) 80
SUS304 180
SUS304L 170
SUS316 180
SUS316L 170
SUS321 180
SUS347 180
SUS430 190
5Cr-0.5Mo鋼 150
モネルメタル 150
チタン 180
50
ハステロイB 220
アルミニウム 40
10

※注(1)ベーカブルフランジ用の無酸素銅も用意している。

【備 考】
使用頻度は次のようになっている。
◎印:特によく使用されるもの ○印:時々使用されるもの △印:あまり使用されないもの

製作範囲
一枚物最大外径 材質別による一枚物としての製作限界は、次のようになる。
また、この値は材料の入手状況により多少異なることもあるので、注意のこと。

材 料 一枚物最大外径(1)
極 軟 鋼 1500
純 鉄 2000(2)
1200
SUS 304 1200
SUS 304L 1200
SUS 316 1200
SUS 316L 1200
SUS 321 1200
SUS 347 2000(2)
SUS 430 1200
5Cr-0.5Mo鋼 1200
モネルメタル  1200
チタ ン 1200
200
ハステロイB  980
アルミニウム  1200
1480

※注
(1)板材から製作する場合の溶接なしの製作限界を示す。
(2)鍛造、熱処理材から製作する。


(a)金属平形ガスケット(No.560)
No.560は圧延金属板から指定の寸法と平面形状に機械仕上げしたガスケットである。 このガスケットはシール性と耐圧力を高めるために、同心円のV溝やナビンを加工したフランジに装着すればより効果的である。


(イ)寸法と形状
任意に製作できる。特に指定のない場合の、厚さの呼びは3mmである。

(ロ)関連規格
ASME B 16.5、JPI 7S-15、DIN 2695


(b)のこ歯形ガスケット(No.540)
No.540は圧延金属板や棒材からの機械加工により断面をのこ歯状に仕上げたガスケットである。シール性と耐圧力にすぐれているが、フランジ表面に傷が残ることがある。ガスケットの交換に際し、フランジ面を仕上げなおすようにすること。

 

(イ)標準寸法
JIS管フランジ用……JIS B 2220管フランジのパッキン座寸法を参考に10、16および20、40、63K用外つば断面形を標準としている。 JPIおよびASME管フランジ用……ASME B16.5を参考に、クラス150、300、600、900用外つば断面形を標準とする。

(ロ)標準外の寸法と形状
丸平面形のガスケットのみを対象とし、要部寸法は通常、次のようになる。

ガスケット外径区分(D) ピッチ(P) 厚さの呼び(T) つば厚さ(t)
100以下 1 3 2
100をこえ 250以下 4.5 3
250をこえ 630以下 6 4.5
630をこえ 1,600以下 8 6

【備 考】
要望により、上記寸法以外のガスケットも製作できる。

     

 

(ハ)関連規格
ASME B16.5、JPI 7S-15、DIN 2697


   




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