2.3.3 バルブの取扱説明

(1)バルブ共通の取扱説明

(a)バルブの製品仕様確認
バルブは、製品仕様を確認のうえ、適用範囲内の圧力、温度で使用する。バルブを配管ラインに取り付ける前に、ボディーマーキングおよびネームプレートによって圧力クラス、口径、材質、弁番号等を調べて所定のバルブであることを確認する。

(b)バルブ配管に際して
配管にスケールや溶接スラッジがある場合、バルブを開閉操作したときにシール部品 が損傷することがあるので、配管内を清掃してからバルブを取り付ける。

(c)バルブの補修に際して
バルブ補修時の分解、組立時の手順や要領に関しては、取扱説明書を参照のこと。
また補修部品などを手配する場合は、下記事項を詳しく指示のこと。
 (イ)組立図面番号
 (ロ)品名記号・呼びサイズ
 (ハ)部品番号・部品名称および必要数量


(2)バルフロンPFAライニングバルブの使用上の注意事項

PFA樹脂は、ほとんどの化学薬品に対して非常にすぐれた耐食性を有し対応できるが、 下記の一部流体での使用は避ける。

(a)溶融アルカリ金属やそれらの溶液。
高温のふっ素、ふっ素化合物。

(b)ハロゲンやハロゲン化合物などの透過性の強い流体で、使用温度が高い場合。

(c)スラリーを含む流体、または固着性を有する流体。
ボールバルブは原則として全閉または全開で使用する。半開のまま使用するとシートを損傷したりバルブ全閉時に漏れを生じることがある。


(3)シリンダバルブの使用上の注意事項

(a)バルブ使用上の注意
流体、圧力、温度等に対し適切に使用されている場合には、特に保守上の留意点もなく長期間使用できるが、下記のような場合には十分注意すること。

 (イ) 万一、流体が固着した場合、またバルブ内部などに詰まった場合、開閉操作 が困難となることがある。このような場合に無理に開閉操作を行うと、バルブ各部を損傷することがある。
 (ロ) シリンダバルブには、漏洩検知孔が設けてあるので、検知孔より内部流体、または操作用空気が漏れ出した場合は、パッキンの損傷と考えられるのでパッキン 交換の目安とする。

 (ハ)バルブ作動時に開閉指示棒(インジケーター部)が開側、閉側に移動するので、 バルブ開、閉作動時には、絶対に開閉指示棒付近に指等を近づけない。

備 考  ラインフランジ外周に「指づめ注意」シールにて表示している。

 (ニ)開-閉の作動時間はエアーセットに設ける調速弁(スピードコントローラーバルブ) で排気速度を制御して行う。 開→閉操作時作動時間が短い場合、配管系に大きな水撃作用を伴うことがあるの で、状況に合わせて調整する。

(b)供給空気についての使用上の注意

 (イ)シリンダバルブの操作圧力は0.4~0.7MPa{4~7kgf/cm2}で使用し、 これ以外の操作圧力での使用は避けること。

 (ロ)供給空気圧力は必ずフィルタを通じ濾過された乾燥空気を使用するようにす る。特に氷結するような寒冷地では、供給空気の乾燥に十分留意すること。

 (ハ)配管されたバルブ、パイプの流路を清掃するため、試運転に入る前に必ず ブローアウトを実施する。


(4)高圧ガス認定バルブ

高圧ガス保安法による高圧ガス設備に使用するバルブは、種別認定制度による認定 バルブを使用する。

要求の際は、下記事項を明示のこと。

 (a)会社名・工場名

 (b)プラント名

 (c)流体名(ガスの種類)

 (d)設計の圧力(設備の官庁申請圧力)

 (e)設計の温度(設備の官庁申請温度)



   

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