1.3 (2)選定および使用基準

(a)グランドパッキンの選定


(イ)バルブステム用パッキンの選定
バルブステム用のグランドパッキンを選定する場合、パッキン選定表(表1.3.2)で流体温度、 圧力、流体の種類、pHおよびレーティング等により、使用可能なパッキンの種類を 数点選び、そのなかから最適なパッキンを絞り込む。
バルブステムに用いるグランドパッキンを選定するうえで重要な点は、取扱流体がどの ような性質をもった流体なのか、よく把握して選定することである。その流体の種別に より流体別選定基準(レーティング表)(表1.3.5)を用いて具体的なパッキンの種類を選定する。


取扱流体   +   温度×圧力   →   流体別選定基準


次に、使用される環境の要因によって使用できない材料(例えば黒色を嫌うようなとき) があればそれを除外して選定する。
また、パッキンに対して二次的特性(調整弁の場合の低トルクを要求されるとき、原子力用の場合の可溶性ハロゲンイオン濃度を管理する必要があるとき等)の要求のあるときには、その条件を付加して最適なパッキンを選定する。


(ロ)回転ポンプ軸用パッキンの選定
回転ポンプ軸用のグランドパッキンを選定する場合、パッキン選定表(表1.3.3)で流体温度、圧力、周速および流体の種類、pHや軸への攻撃性等をみて、使用可能なパッキンの種類を数点選び、そのなかから最適なパッキンを絞り込む。
回転ポンプ軸用のグランドパッキンを選定する上で重要な点は、軸周速(V)と圧力(P)を掛け合わせた許容PV値が、パッキンそれぞれに限界値として設けられているので、この範囲内で余裕を持ってのパッキン選定が必要となる。通常の回転ポンプは高速回転で使用されるため軸周速(V)の値が高くなり、漏洩量を少なくして運転する場合に、流体の放熱効果が少なく、しゅう動発熱が高くなることを加味して、耐熱温度に余裕を持たせたパッキンの選定が必要となる。
また、ポンプに冷却機構(ジャケット冷却やフラッシングおよびクェンチング等)が設けられているときは、その冷却効果を考慮しての選定が可能となる。
具体的な選定の手順としては、流体区分と流体温度が80℃の上下など、圧力および周速条件で流体別選定基準(表1.3.6)を用いて最も適したパッキンを選定する。

取扱流体   +   温度(80℃)   +   圧力×周速   →   流体別選定基準


   




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