(3)使用基準

(a)パッキン材料

材   質 用   途 温度℃ 備   考
ニトリルゴム 鉱油、ガソリン、ベンジン -30~120 ケトン類不可
クロロプレンゴム 空気、水 -40~120
ふっ素ゴム ブタン、プロパン、ヘプタン、 エチレン -20~200 アルカリ、有機酸 エステル不可
シリコーンゴム 低膨潤性鉱油、弱酸、弱アルカリ -60~200 蒸気不可
ふっ素樹脂 各種溶剤、酸、アルカリ -70~160  
充填材入り ふっ素樹脂 -115~220  

(b)メカニカルシール用しゅう動材料(軟質材料)の特性

特   性 単   位 モールドカーボン 樹脂含浸カーボン  充填材入りふっ素樹脂
フェノール樹脂含浸  フラン樹脂含浸 ガラス20% ガラス15%、MoS25% CF20%
C-10 P-493 F-660 SF-3200 EG-9E3 MV-10C MG-1040 MG-1431 MG-6050
密   度 103kg/m3 1.85 1.9 1.83 1.88 1.83 1.8 2.24 2.29 1.83
硬   度 Hs 55~60 55~60 70~80 50~55 70 71~88 55~65(1) 58~68(1) 65(1)
曲げ強さ MPa 76 59 74 54 41 66 14   18
圧縮強さ MPa 140 130 140 120 150 210 8.2(2) 8.2(2) 7.6(2)
引張強さ MPa 34 29 31 27     26 29 17
線膨張係数 10-6/K 40 6.5 6 6.5 6 4.3 88(3) 77(3) 43(3)
実用温度 170 200 250 200 350 300 200 200 200
耐酸性  
耐アルカリ性   不可 不可

注(1)デュロメータD
(2)24℃ 1%変形
(3)25~150℃ 径方向

 

 

(c)メカニカルシール用しゅう動材料(硬質材料)の特性
特   性 単   位 セラミック溶射 粉末金属Ni溶射 セラミック単体 コバルト合金 タングステンカーバイト単体
90Cr2O3 69ZrO233SiO2 16Cr 95min (SC850) 30Cr12W 5~8Co 4~6Ni
セラミック“C” セラミック“Zs” 7X アルミナAl2O3 炭化珪素SiC No.1.ステライト 超硬G種 超硬DN種
密   度 103kg/m3 4.6 3.8 7.53 3.6 3.08~3.15 8.48 14.7~15 14.7
硬   度   1900ヌープ 1000ヌープ 58~62HRC 85HRA 2900ヌープ 54HRC 90.1~91.6HRA 91HRA
圧縮強さ MPa 721     2000        
付着強さ MPa 15 9.8            
線膨張係数 10-6/K 9.0 7.6 12.6 7.5   13.8 4.9  
耐酸性   不可
耐アルカリ性   不可 不可

(d)しゅう動材料と使用区分
EVBM形とEOBM形における代表的なしゅう動材料の組合わせを要約してある。適用流体と 価格、圧力・周速限界との関係から適切なものを選ぶ。

注(1)清缶剤を含む清水にも使用できる。

備  考  
1.しゅう動リングに自溶合金溶射、セラミックコーティング、超硬合金圧入の場合の母材は、SUS 304となる。
2.エラストマー製Oリングの使える流体では、超硬合金ソリッドよりも超硬合金圧入のしゅう動リングの方が安価になる。
3.本表以外の材料についても製作可。


(e)機器名称ごとの使用限界と対応するシールの種類


機器名称 圧   力
MPa(kgf/cm2G)
周   速 温   度 適用流体 用   途 種   類 形   式
(m/sec) (℃)
プロセスポンプ ケミカルポンプ 3.92{40} 20 -60~ 200   汎用 ポンプ 汎用メカシール EVBM
EOBM
撹拌機 3.92{40} 20 -60~ 300   反応釜 一般産業用
メカシール
RVBM
ROBM
ブロアー 3.92{40} 20 -60~ 300   乾   燥 一般産業用
メカシール
RVBM
ROBM
特殊ポンプ 0.98{10} 20 -150~ 250   極低温用
ポンプ
ベローズ
シール
BSBN
ドライヤー 0.04{0.5} 0.5 150   乾   燥 ダイアフラム
シール
PDOUN(粉体)
スクリューフィーダ
ロータリーバルブ
0.04{0.5} 0.5 150   粉体輸送 ダイアフラム
シール
PDOUN(粉体)
洗浄機 0.19{2} 5 150   アルカリ、酸 ダイアフラム
シール
DOUN(液体)
洗浄 繊維の 処理
染色機

備  考  
1.上記表示値は、全て単独限界値を示す。
2.温度条件については、冷却法に基づき使用する。



   

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