(d)FLUORITZ(フローリッツ)

(イ)概 要
各種産業分野の技術革新に伴い、ゴムシール材に要求される特性はますます過酷になっており、近年ではこれまで耐熱性、耐薬品性にすぐれるとされたふっ素ゴムでさえ使用できない用途が多数見受けられる。
パーフロロエラストマー(FFKM)であるフローリッツは、化学的安定性にすぐれていることから広範囲の極めてすぐれた耐薬品性を有し、さらに高温下の使用においてもすぐれたシール性を発揮する。


表1.2.26‐4 フローリッツ各種の紹介

  FLUORITZ-SB FLUORITZ-HR
グレード 標準黒色 耐熱
色調
硬さ実測値(Shore A) 77 83
使用温度目安 0~200℃ 0~300℃
特長 すぐれた耐薬品性 すぐれた耐熱性、すぐれた耐薬品性
主用途 半導体・LCD関連
化学工業関連
電気・電子関連向け
半導体・LCD製造装置
(PE-CVD、LP-CVD、拡散炉等)
備 考 表中の数値はすべて実測値であり規格値ではない。


表1.2.26‐5 FLUORITZ-SBの耐薬品性

薬液 条件 FLUORITZ-SB 標準ふっ素ゴム
メチルエチルケトン RT×168h A D
メタノール RT×168h A D
酢酸エチル RT×168h A D
ジ-n-ブチルエーテル RT×168h A A
アンモニア水(30%) 40℃×168h A D
水酸化ナトリウム(50%) 40℃×168h A A
塩酸(35%) 40℃×168h A B
硫酸(97%) 40℃×168h A A
硝酸(65%) 40℃×168h A C
フッ酸(46%) 40℃×168h A A
リン酸(85%) 80℃×168h A
酢酸 40℃×168h A D
過酸化水素水(31%) RT×168h A A
モノエタノールアミン 80℃×168h A 溶解
PGMEA RT×168h A D
N-メチルピロリドン 80℃×168h A D
備 考 JIS K 6258に準拠した浸漬試験結果をもとに A:体積変化率5%未満、B:体積変化率5~20%未満、
   C:体積変化率20~50%未満、D:体積変化率50%以上としている。


図1.2.38‐1 FLUORITZ-HRの圧縮永久歪み特性


※本データは実測値であり、規格値ではない。

   

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