ガスケットペースト
ガスケットペーストの種類
ガスケットペーストは、黒鉛、雲母(マイカ)、PTFEや無機質を主成分とし、これを適当な粘調剤でペースト状にしたもので、次の製品がある。
バルカーNo. | 製品名称 | 主 成 分 | |
(SEALP) | シールペースト | 無機質 | |
(PSVO) | ニューバルフロンペースト | PTFE | |
(PS5) | ガスケットペースト | (No.5) | 黒 鉛 |
(No.5M) | 雲 母 | ||
(PS6) | ガスケットペースト | (No.6) | 黒 鉛 |
(No.6M) | 雲 母 |
製品の内容および用途については、1.1.4(2)ガスケットペーストの項を参照のこと。
使用効果
ガスケットペーストは、ガスケットの両表面・内径側断面に薄く均一に塗布して使用することにより、次のような効果がある。
①高温時のガスケットの焼付防止と、交換補修の際にフランジ面からガスケットを容易に取り外すことができる。
②シール性の向上:ガスケットペーストを塗布するからといって、有害な傷、締付力不足等がすべて許されるとは限らない。
しかし、フランジ・ガスケット座の軽微な傷、表面粗さが不適合(一般には粗)、締付力不足等によってシール性が多少不十分な場合に、
塗布したガスケットペーストがフランジ・ガスケット座表面とガスケット面の微細なすき間を埋めシール性を向上させる。ことに、メタル平形
ガスケットやセミメタリック・ガスケット(メタルジャケット形ガスケット)を用いて気体シールをする場合は効果が大きい。
ガスケットペーストの選定使用
ガスケットペーストは、使用条件(流体、温度)によって選定使用されるが、ガスケット の種類によっても使い分けられる。
次表にガスケットの種類とそれらに使用されるガスケットペーストを示す。
ガスケットペースト |
ニューバルフロン ペースト (PSVO) |
シール ペースト (SEALP) |
ガスケットペースト | |||
ガスケット | No.5 | No.5M | No.6 | No.6M | ||
ブラックハイパーGF300 | ◎ | ○ | △ | △ | ||
ノンアスジョイントシート | △ | ◎ | △ | △ | △ | △ |
No.6500 No.6502 No.6503 |
||||||
防食形ジョイントシート | ◎ | |||||
ノンアスジョイントシート | ||||||
No.6500AC | ||||||
バルフロン系 ガスケット |
◎ | |||||
N7030 N7031 N7035 |
||||||
メタル、セミメタリック ガスケット |
△ | △ | △ | △ | △ | ◎ |
N510 N520 No.540 No.550 No.560 No.8590 |
◎:推奨
△:条件により使用できる
注意事項
①使用条件によっては、ペースト類の使用を一切禁止している場合があり、あらかじめ確認すること。
②酸素(O2)用
ニューバルフロンペースト(温度:100℃以下)が使用される。その他のガスケットペースト(可燃性のある)は使用できない。
③ガスケットペーストを塗布した状態で片締めや締め付け過大になると、ガスケットがフランジ面で滑りやすく、異常な変形・破損が
発生することがある。ことに、ソフトガスケット(合成ゴムシートガスケット、ジョイントシートガスケット、PTFE包みガスケット)や外輪付
うず巻形ガスケットは、要注意である。
④使用流体の汚染
食品を取り扱うラインや極度に使用流体の汚染をきらうところには、ガスケットペーストは使用しない。
⑤防食形ジョイントシートには、「シールペースト」を使用すること。他のガスケットペースト(No.5、No.5M、No.6、No.6M)を使用すると
防食効果がなくなることがある。