(d)設計資料
(イ)種類・形状・厚さ※注
(1)フープ材料が銅またはアルミニウムの場合、厚さ記号V(呼び厚さ4.5)に限って製作可能である。
(2)厚さ記号P(呼び厚さ1.6)の製品は基本形で、フープ材料がSUS316の場合に限って製作可能である。
(3)平面座フランジにNo.6591、No.7591(外輪付)を使用すると、ガスケット内径部の異常変形が考えられるためNo.6596、No.7596(内外輪付)の採用を薦める。
(4)はめ込み形フランジには内輪付の採用を薦める。
【備考】
○印は製作可能である。△印については、別途相談のこと。
(ロ)ガスケット本体の幅と内径との関係
(ハ)ガスケット本体寸法
厚さ記号 (呼び厚さ) |
製作可能内径(D) | 製作可能幅(W) | ||
最小 | 最大 | 内径区分 | 最大幅 | |
W (6.4) |
300 | 3,400 | 1,600以下 | 50 |
1,600をこえ3,470以下 | 35 | |||
V (4.5) |
10 | 3,000 | 630以下 | 35 |
630をこえ1,600以下 | 30 | |||
1,600をこえ3,000以下 | 25 | |||
T (3.2) |
10 | 1,500 | 630以下 | 25 |
630をこえ1,500以下 | 20 | |||
P(1) (1.6) |
10 | 150 | 150以下 | 8 |
(1)厚さ記号P(呼び厚さ1.6)の製品は、フープ材料がSUS316にかぎり製作可能である。
【備考】
1.最大製作可能内径と最大製作可能幅は、標準材料を使用した場合に製作可能である。
2.異形平面で一般的なハンドボールやマンホール寸法以外の場合は、別途相談のこと。
(ニ)内・外輪寸法
●内径、外径、幅 単位mm内・外輪内径区分 | 内輪幅(A) | 外輪幅(B) | ||
標準値 | 下限値 | 下限値 | ||
40以下 | 3 | 3 | 4 | |
40をこえ | 63以下 | 4 | 3 | 4 |
63をこえ | 100以下 | 5 | 4 | 5 |
100をこえ | 160以下 | 6.5 | 4 | 5 |
160をこえ | 250以下 | 8 | 4 | 5 |
250をこえ | 400以下 | 10 | 6 | 6 |
400をこえ | 630 以下 | 12.5 | 7 | 8 |
630をこえ | 1,000以下 | 15 | 9 | 8 |
1,000をこえ | 1,200以下 | 20 | 12 | 10 |
1,200をこえ | 1,600以下 | 20 | 15 | 10 |
1,600をこえ | 2,000以下 | 25 | 20 | 12 |
2,000をこえ | 3,000 以下 | 30 | 20 | 15 |
3,000をこえるもの | 35 | 25 | 15 |
【備考】
1.上記内容は一般的な使用条件に適している。上記以外の寸法や高圧での使用の場合は、別途相談のこと。
2.下限値については、製作可能な最小幅である。
適用するガ スケットの 厚さ記号(呼び厚さ) |
厚さ(t) | 材 料 |
T(3.2) | 2.0 | 炭素鋼以外 |
2.3 | 炭素鋼 | |
V(4.5)、W(6.4) | 3.0 | 炭素鋼以外 |
3.2 | 炭素鋼 | |
W(6.4) | 4.0 | 炭素鋼、SUS304 以外 |
4.5 | 炭素鋼、SUS304 |
【備考】 太文字は、標準厚さである。標準以外の厚さについては、別途相談のこと。
(ホ)ガスケットの逃げ代とクリアランス
圧力容器やバルブのボンネットには、溝形フランジやはめ込み形フランジが採用されることも多々あり、前者には基本形が、また後者には内輪付ガスケットがそれぞれに用いられている。
これらの場合のクリアランスと最小逃げ代は、次の値を参考のこと。
区 分 | 基準クリアランス(a) | 最小逃げ代(b) | 最小逃げ代(c) | |||
ガスケット厚さ | 3.2 | 3.2 | 3.2 | |||
4.5 | 6.4 | 4.5 | 6.4 | 4.5 | 6.4 | |
ガスケット内外径 | ||||||
250以下 | 0.5 | - | 4 | - | 3 | - |
250をこえ630以下 | 0.8 | - | 5 | - | 3 | - |
630をこえ1,600以下 | 1 | 1 | 7.5 | 10 | 5 | 7 |
1,600をこえるもの | 1.3 | 1.3 | 10 | 12 | 5 | 7 |
【備考】
1.C寸法は、上記数値の2倍で使用することを薦める。
2.外輪外径寸法は、ボルトPCDからボルト径を引いた値とすること。
3.ガスケットの締付圧力管理が必要な場合は、個別設計となるため、別途相談のこと。
②溝形やはめ込み形フランジの溝深さ(F)は、呼び厚さ4.5のガスケットの場合は5mm以上、呼び厚さ6.4のガスケットの場合は7mm以上にすること。
③ガスケット本体の接触部の寸法W0は、次表より算出する。 W0、Wについては、前ページのガスケットを参照。
単位mm
ガスケットの呼び厚さ | 接触部の寸法W0 |
6.4 | W-2.0 |
4.5 | W-1.5 |
3.2 | W-1.0 |
1.6 | W-0.5 |
(ヘ)ガスケット締付力
①うず巻形ガスケットに必要なボルト荷重は、JIS B 8265等(1)に規定された計算式に基づいて計算される。
ガスケット係数 m | 3.00〈フープ材がアルミニウムの場合2.50〉 |
最小設計締付圧力 y N/mm2 | 68.9 |
②ガスシールの場合、上表のm、yによって求められるボルト荷重では十分な密封性が得られないことがあるので、最小締付圧力として下表による締め付けを推奨している。
種 類 (フィラー材料) |
No.6590シリーズ (バルカホイルテープ) |
No.8590シリーズ (ノンアス無機質紙) |
No.7590シリーズ (バルフロンテープ) |
ガスケット投影面積あたりの締付力 N/mm2 |
50 | 70 | 35 |
【備考】大口径の場合等でフランジの変形が予測される場合は、別途相談のこと。
■内輪の必要性 内輪は締め付け時にガスケット本体の内径側への変形を防止することで、締付力を保持する機能がある。
溝形フランジ以外で内径側の拘束がないフランジに装着するときは、下記の条件で内輪付を使用のこと。
タイプ 区分 |
内輪なしタイプ | 内輪付タイプ |
レーティング | 600Lb、40K以下 | 900Lb、63K以上 真空 |
寸 法 | 24B 以下 | 26B 以上 |
フィラー材 | バルフロン(PTFE)、バルカホイル(膨脹黒船) | |
流 体 | 酸素、有毒、危険 |
■ガスケットの許容差
●特に指示のない場合は、JIS規格に準じて当社標準で製作する。
寸法区分 | 寸法許容差 | |||
本体内外径 | 内輪内径 外輪外径 | 本体厚さ | 内外輪厚さ | |
250以下 | ±0.5 | ±0.3 | ±0.2 | ±0.2 |
250をこえ630以下 | ±0.8 | ±0.5 | ||
630をこえ1600以下 | ±1.3 | ±0.8 |
【備考】
1. 外輪付の場合の本体外径には、許容差は適用されない。
2. 異形ガスケットの場合は、この許容差は適用されない。別途問い合わせのこと。
3. 上記をこえる寸法の場合は、別途問い合わせのこと。
■構成材料のサービス温度範囲