1.3 グランドパッキン
(1)種類と用途
(a)グランドパッキンとは
グランドパッキン(Glandpacking)とは、スタフィングボックス(Stuffingbox)に挿入し、パッキン押えで圧縮することによって、緊迫力を与えて流体をシールさせるパッキンの総称で、単純圧縮パッキン(Simplecompressionpacking)とよばれる。
このグランドパッキンは、構造が単純で価格も安いことから、昔からいろいろな機器の軸封材として幅広く用いられている。
それだけに、どちらかといえば旧タイプのパッキンのイメージが強く、性能的には今一つといった感じが拭えないが、最近は新しい素材の誕生とともにその性能は飛躍的に向上し、面目は一新されつつある。
たとえば石綿を用いたパッキンは古くより耐熱性、耐薬品性等にすぐれることから、広範囲に用いられてきたが、ふっ素樹脂繊維、炭素繊維やアラミド繊維、また膨張黒鉛等を用いたパッキンは、石綿に比べて寿命が数段長くなり、シールに対する信頼性も比較にならぬほどよくなってきている。
グランドパッキンの形態
(b)構成材料
編組グランドパッキンを構成する材料は、 一般に無機・有機の繊維を主体としてこれに各種の潤滑剤、粘結剤が加わり、構成されている。
(c)グランドパッキン一覧表(用途・性能)
グランドパッキンは、その使われる用途(バルブ、ポンプ、機器類)により適切な製品を 選定して使用しないと寿命の短いものとなり頻繁に交換しなければならなくなる。 表1.3.1は、各種の用途と条件に適合する性能の値を、その構成材料別に一覧表にし選定の目安としたものである。