(d)バックアップリングの使用について
用圧力が高い場合、またはしゅう動側のパッキン装着部のすき間(図1.2.5)が大きい場合、パッキンのヒール部がはみ出しをおこし損傷する。(図1.2.6)<技・製>図1.2.5 すき間およびはみ出し

<技・製>図1.2.6 ヒール部損傷

このような場合はバックアップリングを併用して、ヒールのはみ出しを防止する。(図1.2.7)
<技・製>図1.2.7 バックアップリングの併用

ヒール部のはみ出しの要因として、パッキン装着部のすき間と圧力およびパッキンのゴムの硬さが関係する。
図1.2.8のシールはみ出し限界曲線を参考にして、バックアップリングの使用を考慮のこと。
バックアップリングの設計基準は、表1.2.1の通りである。
<技・製>図1.2.8 シールのはみ出し限界曲線(JPHS-112抜粋)
<技・製>表1.2.1 バックアップリング設計基準
パッキン形状による圧力限界(参考値)
使用圧力限界をこえる場合は、バックアップリングを併用した方が望ましい。
材料 | 断面形状 | 動圧(1)の場合 | 備考 |
(バルカーNo.) | |||
ウレタンゴム | 小断面シリーズ | 20.6MPa{210kgf/cm2}をこえる場合 | TE・E9625UHシリーズ |
大断面シリーズ | 34.3MPa{350kgf/cm2}をこえる場合 | TE・E9625UN、ML | |
P9625UN 各シリーズ | |||
ニトリルゴム | 小断面シリーズ | 13.7MPa{140kgf/cm2}をこえる場合 | 2060UHシリーズ |
ふっ素ゴム | 大断面シリーズ | 4060MLシリーズ |
注(1) 動圧とは、一般的な油圧シリンダ等の場合(サージ圧を含む)
パックアップリングの主な材料は、次の通りである。
①バルフロン(アニール処理が望ましい)

