(d)バルフロンVパッキン(No.7631)
PTFE樹脂を切削加工したリップ形パッキンで、エラストマー製品に比べ、耐薬品性と低摩擦性にすぐれている。
また、充填材入り材料を使用することで温度、圧力、耐摩耗性が改善される。断面形状はH、M、Lの三種類に分かれ、各々用途区分されている。
(イ)種類と用途
(ロ)グランド部設計要領
①使用圧力とパッキン数装着すべきリングの数がむやみに多いことは、かえって摩擦を増加しシール効果を減ずることになる。最少標準装着数は、下表に示す。
種類 | 使用圧力範囲、MPa{kgf/cm2} | パッキン数 |
L | 0~1.96MPa{0~20kgf/cm2} | 2~3 |
M | 1.96~4.90MPa{20~50kgf/cm2} | 3 |
4.90~6.86MPa{50~70kgf/cm2} | 4 | |
H(1) | 6.86~14.70MPa{70~150kgf/cm2} | 5 |
14.70~29.40MPa{150~300kgf/cm2} | 6 |
注 スペーサリング併用
②アダプタリング
アダプタリングは金属性でもさしつかえないが、なるべく同質のものを使用のこと。
③軸径とパッキン幅
④パッキン幅と高さ
パッキン幅 W(mm) | パッキン高さ H(mm) | アダプタ リング高さ h1(mm) | アダプタ リング高さ h2(mm) |
3 | 1.6 | 0.9 | 3 |
4 | 2.4 | 1.2 | 4 |
5 | 3 | 1.5 | 5 |
6 | 3.6 | 1.8 | 6 |
7 | 4.2 | 2.1 | 7 |
8 | 4.8 | 2.4 | 8 |
9 | 5.4 | 2.7 | 9 |
10 | 6 | 3 | 10 |
注 記号H、h1、h2は(イ)種類と用途の項を参照。
⑤スプリングによる調整
このパッキンは、温度変化の激しい場合収縮をおこしやすいので、この場合には下図のごとくスプリングを装着して、調整を図ることが効果的である。
スプリング使用の装着図