(4)設計指針
(a)選定法
・シングルシールとダブルシール
メカニカルシールの密封端面(しゅう動面)は、特別に考慮されたもの以外は、通常密封すべき流体で潤滑作用を行い密封する機構となっているので、潤滑機構および 密封機構(シール機構)から密封端面は、つねに液膜を形成していることが条件となる。
したがって密封流体が
(イ)ブロアー、あるいはタテ形撹拌機用上部シールのように気体をシールする 場合
(ロ)ポンプの場合で、高温あるいは密封端面のしゅう動熱、メカニカルシール の撹拌熱等の影響により、密封端面の液膜が沸とうしてドライコンタクト になる場合
(ハ)爆発、有毒を有している流体でより安全性を必要とする場合
以上のときには、シングルシールを2組用いたダブルシールとし、その中間に密封流体 より少し高め0.04~0.19MPa{0.5~2kgf/cm2G}のシール液を別源より注入(密封)する。 このシール液を注入(密封)する機構に置換えて冷却と潤滑を行う。
(b)アンバランス形とバランス形および密封端面の材料
この材料は、次により区分する。
(イ)PV値(密封端面に作用する圧力“P”としゅう動速度“V”との積)
(ロ)密封流体の特性
(ハ)密封端面の組合せ材料
(ニ)経済性
(c)PV値算出法
PV=(K・Pi+Fs)×π・D・N/60×1000
P:面圧(kgf/cm2) V:しゅう動速度(m/sec.)
K:バランス比 (アンバランス形:1.2、バランス形:0.65~0.85)
Pi:流体圧力 (kgf/cm2) Fs:スプリング力 (kgf)
D:密封端面の外径 (mm) N:回転数 (RPM)
(d)スタフィングボックスの設計
・JIS B 2405-1993 (メカニカルシール通則)
・SMA 131 (船用メカニカルシール標準)
当社のメカニカルシールは、上記の規格に準拠した製品寸法に設計されている。