2.3.2 急速開閉形シリンダバルブ
シリンダバルブはエアーを動力源とする自動弁で、特に高頻度、高速作動性、作動の応答性が要求されるバルブとして最適なバルブである。また、シリンダを内蔵しているためコンパクトなバルブである。
(1)種 類
分 類 | バルカーNo. | 管 接 続 部 | 材 質 | 呼 び 径 | |
二方弁 | 1HS2 | 10K | FF | SCS13 | 15A~350A |
2HS2 | 20K | RF | SCS13 | 15A~350A | |
三方弁 | 1HS3 | 10K | FF | SCS13 | 15A~350A |
2HS3 | 20K | RF | SCS13 | 15A~350A |
(2)構造と用途
(a)HS2
急速開閉形二方シリンダバルブ
高頻度高速開閉が可能なため、特に製鉄所の圧延ラインの冷却水用として、またPSA方式によるガス発生装置用にも使用する。また、粉体、ペレットラインに使用できる。
(b)HS3
急速開閉形三方シリンダバルブ
高頻度高速開閉が可能なため、特に製鉄所の圧延ラインの冷却水用として使用
される。
(3)選定基準
(a)使用範囲分 類 | クラス | 最高使用圧力 | 温 度 | 流 体 |
2方弁 | 10K | 14kgf/cm2 | 0~80℃ | 水・油・ガス |
20K | 34kgf/cm2 | |||
3方弁 | 10K | 10kgf/cm2 | ||
20K | 25kgf/cm2 |
(b)Cv値および流量表(二方および三方直流れ)
(c)Cv値および流量表(三方L流れ)
(d)開度流量特性
通常の流量調節弁に比べ、このシリンダバルブは流体が流れやすい構造(弁抵抗係数1.2~1.3)になっている。流れる量が小量から大量に変化させても弁一次側(入口)より二次側(出口)に流体が流れる際、弁座部において他の弁と異なって360°放射状に流れるため、流体の乱れが少なく流量調節として適し ている。また、自動調節弁の場合は特に駆動機の出力と弁の負荷率が問題となるが、シリンダバルブは作動の際の負荷は小さく、応答性がよい。流調弁として使用の際はバルブストロークの通常の30~70%のコントロール範囲内が最適である。
(e)作動時間
シリンダバルブの最小作動時間は下表値が目安である。使用圧力0.98MPa{10kgf/cm2}のとき
呼び径 | 40A | 50A | 65A | 80A | 100A | 125A | 150A | 200A | 250A | 300A | 350A |
開から閉への作動(秒) | 0.21 | 0.33 | 0.30 | 0.34 | 0.44 | 0.68 | 0.94 | 1.75 | 2.40 | 2.61 | 3.13 |
(f)作動空気所要量
呼び径 | 40A | 50A | 65A | 80A | 100A | 125A | 150A | 200A | 250A | 300A | 350A |
空気所用量Nℓ | 0.8 | 1.3 | 2 | 2.5 | 4.5 | 6.5 | 9 | 24.5 | 34.5 | 63.5 | 83 |
2.数値は開→閉、または閉→開の片作動分を示すので、開閉往復作動のときは上表値を2倍のこと。