バルカタイトガスケット
うず巻形ガスケットは、フィラー材として無機質紙テープ、バルカホイル(膨張黒鉛)テープやバルフロン(PTFE)テープを用いたうず巻形ガスケットで、V字形にくせ付けされたフープによる、豊かな弾性を有するガスケットです。
石油精製・化学、電力、ガス、船舶など各種産業における高温高圧の流体を扱う配管フランジ、熱交換器、塔槽類、バルブボンネットなど各種機器の接合面のガスケットとして適しています。
- バルカー製品番号
- M592
- 製品名
- マイカフィラーうず巻形ガスケット(内輪付)
- 特長1
- クロスレスマイカフィラーを用いたうず巻形ガスケットです。
- 特長2
- 加熱による強度低下を最小限に留めています。
- 特長3
- 内輪付ガスケットは、はめ込み形管フランジに用いられるもので、内輪はガスケットの補強だけでなく管内径とガスケットとの間隙を少なくし、流体のたまりやフランジ隅部のエロージョンをも防止するものです。
- 特長4
- フランジの圧力レーティングがクラス900(JIS63K)以上の場合、または、フランジ呼び径が650A(26B)以上の場合は内輪付をご使用ください。
- 不適な流体
- 可燃性ガス、毒性ガス
- 用途
- 高温用熱媒であるHTS(酸化剤:硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム混合物)用途
■ 製作寸法
規格管フランジ用
JIS管フランジ用=10K、16K、20K、30K、40K、63K JPIおよびANSI管フランジ用=クラス150、300、400、600、900、1500、2500この他にASME、MSSなど各種規格管フランジ用も製作いたします。
規格外フランジ用
ガスケット厚さ(mm) |
本体内径制作範囲 |
4.5(V) |
10〜2500 |
6.4(W) |
300〜2500 |
()記号は厚さ区分を表す記号です。
製作範囲は円形です。
■ 設計資料
■ 使用可能範囲
温度(℃) |
圧力(MPa) |
-200〜810 |
30.0 |
1.温度と圧力はそれぞれ個別の使用限界を表しています。
2.上記温度範囲はフープおよび内・外輪の材質によって異なります。
■ 設計基準
ガスケット係数”m” |
最小設計締付圧力"y" (N/mm2) |
推奨締付面圧 (MPa)液体 |
推奨締付面圧 (MPa)ガス |
3.0 |
68.9 |
35.0 |
70.0 |
推奨締付面圧は流体圧力は考慮せず、一般的な条件で必要な締付面圧であり、ガスケットの接触面積についての面圧です。
大口径の場合で、フランジの変形が予測される場合は、別途ご相談ください。
■ ご注文に際して
■ FAQ
Q. うず巻形ガスケットは規格寸法以外も製造可能ですか?
A. ご指定いただければ、本体部、リングとも対応可能です。ただし、幅などで製造可能範囲がございますので、お問合せください。
Q. シートガスケットなどで締め付け隙間で管理をしたいのですが、どのようにすればいいでしょうか?
A. 隙間による管理は誤差が生じ易く正確な面圧が得られません。片締めの対策には有効ですので、トルク管理と併用してご活用ください。
Q. JPI、ASME/ANSI規格フランジのガスケット寸法の違いについて教えてください
A. JPIは基本的にはASME/ANSIからの引用ですので、元数値のミリ換算時の丸め誤差で多少寸法が異なることはあります。実使用上は、どちらの寸法でも同等のガスケット機能を果たすと認識します。
Q. プラント運転中は問題なくても、停止、再運転時に漏れが発生することがあるのはなぜですか?
A. 温度変化によりフランジ、ボルト、配管などの伸び縮みが起こります。その結果、温度低下時(再運転初期の低温時を含む)にはガスケット部分に締付力低下の傾向が多く見られ、緩みによる漏れとなります。よって一般的には、初回熱付加後の再運転前に増し締め(締めなおし)をしていただくようお勧めしています。
Q. 漏れ発生時の増し締めは有効ですか?
A. 有効です。漏れ時の増し締めは内圧を抜いてから増し締めを実施していただくようお願いいたします。ただし、ジョイントシートの場合では温度による硬化があり破損する可能性があるなど、製品別に注意すべき点もございます。
Q. どのガスケットを選定すれば良いのかわからないので、選定してもらえないですか?
A. ご使用条件と併せてお問合せいただければ、当社技術担当が選定し、適切な製品を推奨させていただきます。
■ バルカーハンドブック技術編
■ バルカーハンドブック寸法編